「モルモットを2匹目も迎えたいけど、うまくいくか不安…」「1匹だとかわいそうかな?」と悩んでいる方は多いはずです。モルモットは本来、仲間と関わりながら暮らす社会的動物。正しい知識と準備があれば、多頭飼いは十分に成功できます。この記事では、性別の組み合わせ別の相性、顔合わせの7日間ステップ、必要なケージサイズ、月々の費用まで、多頭飼いに必要な情報をすべて網羅しました。これから多頭飼いを検討している方も、すでに悩みを抱えている方も、ぜひ最後までご覧ください。
モルモットの多頭飼いは可能?成功の条件を先に解説

結論から言えば、モルモットの多頭飼いは可能です。
ただし、すべての個体が仲良くなれるわけではありません。
モルモットは警戒心が強く、縄張り意識を持つ一面もあるため、相性・環境・導入手順の3つが揃ってはじめて多頭飼いが成功します。
成功の3大条件をまとめると以下の通りです。
- 相性の見極め:性別・年齢・性格のバランスを考慮する
- 十分なスペース:2匹なら最低でも幅120cm×奥行60cm程度(できればそれ以上)の床面積を確保する
- 正しい顔合わせ手順:いきなり同居させず、段階的に慣れさせる
この3条件を無視して同居を強行すると、喧嘩・ケガ・ストレスによる体調不良につながります。
参考:モルモットは多頭飼いが向いている?複数飼育のメリットデメリットと注意点

性別の組み合わせ別|成功しやすさ早見表
多頭飼いの成否を大きく左右するのが性別の組み合わせです。
以下の早見表を参考に、迎え入れる前に組み合わせを検討しましょう。
| 組み合わせ | 成功しやすさ | 難易度 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| メス同士 | ★★★★★ | 低い(初心者向け) | 相性確認は必須 |
| オス同士(幼少期から) | ★★★☆☆ | 中程度 | 成長後に喧嘩リスク増 |
| オス同士(成体) | ★★☆☆☆ | 高い(上級者向け) | 縄張り争い・怪我注意 |
| オスとメス | ★★★★☆ | 中程度(繁殖対策必須) | 望まない繁殖に注意 |
初心者には比較的メス同士の組み合わせが選ばれやすいです(ただし個体差があるため相性確認は必須です)。
多頭飼いに向いている人・向いていない人チェックリスト
多頭飼いを始める前に、自分が飼育できる環境・余裕があるかを確認しましょう。
【多頭飼いに向いている人】
- ケージを2台以上置けるスペースがある
- 万が一の別居に対応できる予備ケージを用意できる
- 月々の飼育費用が1匹分の2倍以上になっても問題ない
- 毎日複数匹の健康状態を観察できる時間がある
- 動物病院への通院費用を複数匹分確保できる
【多頭飼いに向いていない人】
- 現在の1匹の飼育でも手一杯だと感じている
- スペースの余裕がなく、大型ケージへの買い替えが難しい
- 繁殖コントロールへの理解・対応が難しい(オスメス飼育の場合)
- 喧嘩が起きたとき即座に別居対応できない環境にある
上記を正直に確認した上で、多頭飼いに踏み切るかどうかを判断してください。
モルモットは1匹だとかわいそう?多頭飼いが推奨される理由

「1匹だとかわいそうかな…」という罪悪感を抱く飼い主さんは少なくありません。
この疑問に答えるには、まずモルモットの本来の生態を理解することが大切です。
モルモットは社会性が高いため、可能なら同種の仲間と暮らすことが推奨されるケースが多いです。
ただし、1匹でも十分な愛情と環境を与えれば幸せに暮らせます。
「多頭飼いしないと不幸」という単純な話ではなく、飼い主のライフスタイルや環境に合わせた判断が重要です。
野生のモルモットは社会性のある動物
モルモット(テンジクネズミ科)は南米原産で、野生では家族群(例:5〜10頭程度)で暮らし、複数の群れが近くに集まってコロニーのようになることもあります。
また、野生の近縁種(テンジクネズミ属など)では、環境によって1オス+1〜2メスといった小さなグループで行動する例も報告されています。
群れの中で互いに体を寄せ合ったり、毛づくろい(グルーミング)し合ったりすることで安心感を得ます。
さらに研究では、仲間(社会的パートナー)がいることで、ストレス状況でのコルチゾール反応が緩和されうる(社会的緩衝)ことが示されています。
参考:RSPCA:Keeping Guinea Pigs Together / Social System and Spatial Organization of Wild Guinea Pigs (Asher et al., 2004)

1匹飼いでも幸せに暮らせる3つの条件
多頭飼いが理想とはいえ、さまざまな事情で1匹飼いしかできない方もいます。
その場合でも、以下の3条件を満たせば、モルモットは十分幸せに暮らせます。
- 飼い主が毎日コミュニケーションを取る:短時間でも声かけ・手からおやつ・やさしいハンドリングなど(無理な長時間の抱っこは避ける)
- 広いケージと豊富な環境(エンリッチメント)を用意する:退屈しないよう、トンネルや隠れ家などを配置し刺激を与える
- 規則正しい生活リズムを保つ:決まった時間の給餌・清掃でモルモットに安心感を与える
1匹飼いの場合は、毎日こまめに関わって安心できる環境を作ることが大切です。
モルモット多頭飼いのメリット5つ

多頭飼いにはモルモット・飼い主双方にとって多くのメリットがあります。
ここでは代表的な5つのメリットを詳しく解説します。
精神的安定とストレス軽減につながる
仲間がいることで、モルモットがストレス状況で落ち着きやすくなることがあります。
研究でも、社会的パートナーの存在がストレス時のコルチゾール反応を緩和しうる(社会的緩衝)ことが示されています。
互いに体を寄せ合ったり、毛づくろいし合ったりすることで、心理的な安心感が生まれます。
精神的に安定した個体は食欲が保たれやすく、健康管理の面でもプラスに働くことがあります。
運動量が増えて肥満予防になる
1匹飼いのモルモットは運動量が少なくなりがちです。
多頭飼いにすることで、追いかけっこや探索など動くきっかけが増え、結果的に運動量が増える傾向があります。
肥満はさまざまな疾患リスクにつながるため、自然に動く機会が増えることはメリットになり得ます。
群れ特有の自然な行動が観察できる
多頭飼いでしか観察できない行動として、マウンティング(関係性の確認)・グルーミング・ひっつき寝・食事の取り合いなどがあります。
これらはモルモットの本来の社会性を表す行動であり、飼育の楽しさが格段に広がります。
また、複数匹が一斉に警戒音を出したり、揃って走り回ったりする「ポップコーン(跳ね回る行動)」も多頭環境では活発に見られます。
こうした自然な行動を観察できることは、飼い主にとっても大きな癒しになります。
飼い主不在時の寂しさを軽減できる
仕事や外出で長時間家を空ける生活スタイルの場合、1匹のモルモットは長時間ひとりで過ごすことになります。
多頭飼いにすることで、飼い主不在時も仲間同士でコミュニケーションを取り、落ち着いて過ごしやすくなります。
一人暮らしや共働き家庭など、長時間不在になりがちな方にとっては、多頭飼いが有効な選択肢になり得ます。
体調不良の早期発見につながる
モルモットは本能的に体調不良を隠す習性があり、症状が目立つ頃には進行していることもあります。
しかし多頭飼いの場合、他の個体と比べて「食欲が落ちている」「動きが鈍い」などの変化に気づきやすくなることがあります。
複数匹を比較することで、異常のサインを早めに拾える可能性が高まります。
モルモット多頭飼いのデメリット5つと対策

多頭飼いにはメリットだけでなく、あらかじめ知っておくべきデメリットも存在します。
事前に把握して対策を取ることで、リスクを最小限に抑えられます。
相性が悪いと喧嘩・ケガのリスクがある
モルモット同士の相性が悪い場合、噛みつきや追い回しが繰り返され、ケガや慢性的なストレスの原因になります。
特にオス同士は成長に伴い縄張り意識が強くなることがあるため注意が必要です。
【対策】
- 顔合わせは段階的に行い、いきなり同居させない
- 喧嘩が起きたら即座に分離できる予備ケージを常備する
- 隠れ家を複数設置し、逃げ場を確保する

病気・寄生虫の感染リスクが高まる
複数匹を同居させると、皮膚糸状菌症(カビ)・外部寄生虫(ダニ・シラミ)・呼吸器感染症などが一気に広がるリスクがあります。
特に新しい個体を迎えた直後は注意が必要です。
【対策】
- 新しい個体は2〜3週間程度の検疫期間を別ケージで設ける
- 定期的な獣医師による健康チェックを全頭に行う
- ケージや用具の消毒を徹底する
飼育費用が2倍以上になる
単純に頭数が増えると、餌代・消耗品代・医療費がほぼ比例して増加します。
1匹あたり月3,000〜5,000円程度かかるとすると、2匹で6,000〜10,000円、3匹で9,000〜15,000円が目安となります。
さらに大型ケージへの買い替えや、別居が必要になった場合の追加ケージ購入など、初期費用も1匹飼いより大幅に増加します。
【対策】
- チモシーをまとめ買いしてコスト削減する
- 医療費はペット保険の活用も検討する
- 月々の予算を頭数分確保してから多頭飼いを開始する
ケージスペースの確保が必要になる
多頭飼いでは、1匹飼いより広いケージが必須です。
スペースが狭いと逃げ場がなくなり、ストレスや喧嘩の原因になります。
2匹飼いの場合は最低でも幅120cm×奥行き60cm程度の床面積が目安です(大きいほど望ましい)。
【対策】
- 多頭飼い用の大型ケージを最初から選ぶ
- 部屋の広さと家具の配置を事前に確認する
- サークルで運動スペースを拡張する
オスメスの場合は繁殖コントロールが必須
モルモットの妊娠期間は59〜72日(平均約68日)で、年に複数回出産が可能です。
望まない繁殖を放置すると、急激に頭数が増え、全個体の適切な飼育が困難になります。
オスとメスを同居させる場合は、オスの去勢手術(費用:数万円程度/病院により差)が現実的な選択肢となります。
【対策】
- 同居前にオスの去勢手術を検討する
- 去勢後も術後5〜6週間(目安は6週間)は繁殖リスクが残るため、完全分離を続ける
- 繁殖を希望しない場合はメス同士・オス同士の組み合わせを選ぶ
性別の組み合わせ別|多頭飼いの相性と成功のコツ

多頭飼いの成否を左右する最大の要因のひとつが、性別の組み合わせです。
ここでは3つのパターンについて、具体的な相性と成功のコツを解説します。
参考:モルモットは多頭飼育するべき?性別による相性を確認しよう

メス同士:比較的成功しやすい組み合わせ
メス同士の組み合わせは、比較的多頭飼いが成立しやすいパターンです。
ただし、相性が合わない個体も存在するため、顔合わせの段階的な手順は省略できません。
成功のコツ
- 年齢や体格が近いとスムーズなことが多い
- 初対面時は必ず中立の場所(どちらの縄張りでもない場所)で行う
- おやつを使って同じ場所で一緒に食べさせ、ポジティブな関係づけをする
オス同士:喧嘩リスクが高く難易度は高め
オス同士の同居は、縄張り意識と優位性争いから喧嘩になりやすく、難易度の高い組み合わせです。
足立区生物園の飼育資料でも「オス同士は成長すると縄張り意識が生まれ、大きなケンカが起こりますので多頭飼育は避けましょう」と明記されています。
成功のコツ(幼少期から同居の場合)
- 若齢期から一緒に育った組み合わせの方が成立しやすい傾向がある
- 広いケージと隠れ家を複数用意し、逃げ場を確保する
- 本気の喧嘩に発展しそうなら早めに分離を検討する

オスメス:繁殖を望まないなら去勢が必須
オスとメスの組み合わせは、相性面では比較的良好なケースが多いですが、繁殖コントロールが最大の課題です。
モルモットのメスは生後4〜8週齢から繁殖可能になるため、油断すると急速に頭数が増えます。
繁殖を望まない場合は、同居前にオスの去勢手術を行うことが重要です。
成功のコツ
- 去勢手術はモルモットに対応した獣医師に相談する(費用は病院・地域で差)
- 術後は5〜6週間(目安は6週間)、完全分離を維持して繁殖リスクを避ける
- 去勢後も定期的に繁殖行動がないか確認する
2匹目を迎える準備と顔合わせ7日間ステップ

2匹目を迎える際に最も重要なのが、焦らず段階的に慣れさせる顔合わせの手順です。
いきなり同居させると、縄張り争いや感染症リスクが高まります。
以下は「検疫(2〜3週間)」を終えた後に進める「顔合わせ7日間」の一例です。
STEP1:新しい個体の健康チェックと2〜3週間検疫
新しく迎えたモルモットは、まず別ケージで2〜3週間程度の検疫期間を設けます。
この間に獣医師による健康診断を受け、皮膚・目・鼻・歯・体重などをチェックしてもらいましょう。
検疫期間中は先住モルモットとは完全に隔離し、器具・床材・タオルなども共有しません。
この手順を省略して直接同居させると、感染症や寄生虫が持ち込まれるリスクが高まります。
STEP2:お互いの匂いを交換する(1〜2日目)
検疫が終わったら、まず匂いによる相互認識から始めます。
使用済みの床材や巣材を相手のケージに少量入れ替えることで、お互いの存在を匂いで認識させます。
この段階では直接接触させず、匂いへの反応(過度な警戒・逃避がないか)を観察することが目的です。
毛づくろいをしたり落ち着いた様子であれば、次のステップに進みましょう。
STEP3:ケージ越しの対面(3〜4日目)
次はケージ越しに姿を見せ合う段階です。
2つのケージを隣り合わせに置き、お互いの姿を確認させます。
この際、1日あたり1〜2時間程度から始め、慣れてきたら時間を延ばしていきます。
歯ぎしりや激しい威嚇行動がなければ、次のステップへ進む準備ができています。
STEP4:中立エリアでの初対面(5〜6日目)
いよいよ直接接触のステップです。
どちらの縄張りでもない中立の場所(サークルや新しい部屋)で初対面させます。
この場所で先住モルモットの縄張り意識が薄れるため、攻撃性が低下しやすくなります。
初対面は15〜30分程度から始め、飼い主が必ず立ち会って観察します。
互いに匂いを嗅ぎ合い、激しい攻撃がなければ良好なサインです。
STEP5:同居開始と観察ポイント(7日目〜)
中立エリアでの接触に問題がなければ、いよいよ同居を開始します。
同居開始後の最初の1週間は特に注意深く観察し、以下のポイントをチェックしてください。
- 食事を両方が問題なく取れているか
- 一方的な追い回しや噛みつきが続いていないか
- 休める場所・逃げ場が確保されているか
- 体重が維持されているか(ストレス食欲不振のサイン)
同居開始後も予備ケージを撤去しないことが大切です。いつでも分離できる体制を維持しましょう。
多頭飼い開始前に準備するものチェックリスト
同居を始める前に、以下のアイテムをすべて揃えているか確認してください。
- ✅ 大型ケージ(2匹:幅120cm×奥行60cm以上が目安)
- ✅ 予備ケージ(緊急分離用)
- ✅ 隠れ家・ハウス(頭数分+1個)
- ✅ 餌入れ・水入れ(頭数分)
- ✅ 中立スペース用サークル
- ✅ 近隣のモルモット対応動物病院の確認
多頭飼いのケージレイアウト|広さ・配置の基本

多頭飼いを成功させるためには、ケージのサイズと内部レイアウトが非常に重要です。
狭いケージでは逃げ場がなくなり、慢性的なストレスや喧嘩の温床になります。

2匹飼いに必要なケージサイズと基本レイアウト
2匹飼いに必要な最低限のケージサイズは幅120cm×奥行き60cm×高さ45cm程度が目安です(床面積は広いほど望ましい)。
できれば幅140cm以上など、さらに広いケージが理想で、個体が十分に動き回れるスペースを確保できます。
基本レイアウトのポイントは以下の通りです。
- 餌場と水場はそれぞれ2箇所ずつ設置し、一方が食事を独占できないようにする
- 隠れ家は頭数+1個を基本とし、逃げ場を確保する
- 床材は全体に十分な厚さで敷き、クッション性を確保する
3匹以上の場合の拡張パターン
3匹以上飼育する場合は、ケージの拡張または複数ケージの連結が必要になります。
目安としては、2匹用(幅120×奥行60程度)を基準に、頭数が増えるほど床面積をしっかり増やすのが基本です。
市販のサークルやC&C(Cubes & Coroplast)ケージをDIYで組み合わせる方法も、コストを抑えながら十分なスペースを確保できる人気の選択肢です。
隠れ家・餌場・水場の配置ルール
多頭飼いのケージ内レイアウトで最も重要なのが「資源の分散」です。
食事や休憩スペースを独占できる状況が、喧嘩の最大の原因になります。
| アイテム | 推奨数(2匹の場合) | 配置のポイント |
|---|---|---|
| 隠れ家 | 3個以上 | ケージの両端と中央に分散 |
| 餌入れ | 2個 | 互いに見えない距離に配置 |
| 水入れ | 2個 | ケージの対角線上に設置 |
| 牧草入れ | 2箇所 | 十分な量を両方に確保 |
モルモットが喧嘩したときの対処法

多頭飼いを続ける中で、喧嘩が起きることは避けられない場合もあります。
重要なのは、「じゃれ合い」と「本気の喧嘩」を正確に見分け、適切に対処することです。
「じゃれ合い」と「本気の喧嘩」の見分け方
モルモット同士のやりとりがすべて「喧嘩」ではありません。
以下の比較表で状況を判断してください。
| 行動 | じゃれ合い | 本気の喧嘩 |
|---|---|---|
| 追いかけ | 交互に追う・遊び感覚 | 一方的に追い続ける |
| 鳴き声 | 「プイプイ」と軽い声 | 「ギャッ」「ガッ」と激しい声 |
| 噛みつき | 毛づくろい程度 | 出血・毛の抜けが見られる |
| 体の向き | 自然な向き | 背中の毛を逆立てる・硬直 |
出血・大きな悲鳴・逃げ場を完全に失っている状態が見られた場合は、即座に介入が必要な本気の喧嘩です。

喧嘩が起きたときの緊急対応3ステップ
本気の喧嘩が起きた場合、以下の3ステップで対処してください。
- 即時分離:素手で止めようとせず、タオルや厚手のグローブで個体を包み、別ケージに移動させる
- ケガの確認:出血・噛み傷がないか全身をチェックし、深い傷がある場合は獣医師へ連絡する
- 原因の特定:餌の不足・隠れ家の不足・スペース不足など、喧嘩の引き金になった環境要因を改善する
喧嘩後はいったん完全分離して落ち着くまで(数日〜1週間ほどを目安)様子を見て、段階的な顔合わせに戻しましょう。
どうしても相性が合わない場合の選択肢
繰り返し喧嘩が起きる場合、「合わなければ別居」も正解な選択肢です。
無理に同居を続けることは、双方のモルモットに慢性的なストレスを与え、免疫低下・食欲不振・寿命短縮につながります。
別居後も、ケージを隣同士に置いて匂いや気配だけ感じさせる『隣人関係』として飼育する方法も有効です。
多頭飼いにかかる費用シミュレーション

多頭飼いを始める前に、具体的な費用の見通しを立てておくことが大切です。
ここでは2匹飼育を例に、初期費用とランニングコストをシミュレーションします。
初期費用の目安(2匹の場合)
| 項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| モルモット本体(2匹) | 10,000〜40,000円 | 品種・ショップにより異なる |
| 大型ケージ | 8,000〜25,000円 | 幅120cm×奥行60cm以上推奨 |
| 予備ケージ | 3,000〜8,000円 | 緊急分離用として必須 |
| 床材・牧草・ペレット初期購入 | 3,000〜6,000円 | まとめ買いがお得 |
| 隠れ家・用品 | 3,000〜8,000円 | 3個以上推奨 |
| 初回健康診断(2匹分) | 6,000〜15,000円 | 病院により異なる |
| 合計目安 | 33,000〜102,000円 | – |
月々のランニングコスト一覧表
| 項目 | 1匹/月 | 2匹/月 |
|---|---|---|
| チモシー(牧草) | 約800〜1,200円 | 約1,500〜2,000円 |
| ペレット | 約400〜600円 | 約700〜1,000円 |
| 床材 | 約500〜1,000円 | 約800〜1,500円 |
| 野菜・おやつ | 約500〜1,000円 | 約800〜1,500円 |
| 医療費(年平均) | 約500〜2,000円 | 約800〜3,000円 |
| 月合計目安 | 約2,700〜5,800円 | 約4,600〜9,000円 |
2匹目を迎えると月々のコストは約1.5〜1.7倍程度に増加するのが一般的です。
まとめ買いやネット通販を活用することで、チモシーなどのコストを20〜30%削減できます。
多頭飼いにおすすめのケージ3選
多頭飼いに適したケージを選ぶ際は、床面積(幅×奥行き)・通気性・掃除のしやすさの3点を重視してください。
- 幅120cm×奥行60cm以上の大型ケージ:2匹飼いの基本ライン。前面開口タイプなどが掃除しやすい
- C&C(キューブ)ケージ:サイズ調整が自由で、3匹以上にも拡張しやすい
- 複数ケージ+サークル連結:相性次第で分離・拡張がしやすく、レイアウト自由度も高い
モルモットの多頭飼いでよくある質問
多頭飼いに関してよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。
Q. 何匹まで一緒に飼えますか?
A: 特に上限はありませんが、管理できる頭数は飼い主のスペース・時間・費用に比例します。
一般的な家庭では2〜4匹が管理しやすい範囲とされます。
5匹以上になると、個別の健康管理が難しくなり、群れ内での関係性も複雑になりやすいです。
まずは2〜3匹から始め、環境に余裕があれば増やすことを検討しましょう。
Q. 年齢差があっても多頭飼いできますか?
A: 可能ですが、年齢差が大きいほど体格差・活動量の差が生じ、ストレスや怪我のリスクが高まる場合があります。
特に高齢個体と幼若個体の同居は慎重に進める必要があります。
顔合わせ時の反応を丁寧に観察してください。
Q. 先住モルモットが新入りを受け入れてくれません
A: よくあるケースです。焦らず、段階的な顔合わせに戻ることが最善策です。
匂い交換からやり直し、中立エリアでの接触時間を少しずつ延ばしながら再挑戦しましょう。
先住個体が新入りをずっと避けていたり威嚇している場合は、完全同居の前に『隣人関係』(隣り合ったケージ)として数週間様子を見るのも有効です。
Q. 多頭飼いでも1匹ずつスキンシップは必要?
A: 必要です。多頭飼いでも1匹ずつの個別ケアは欠かせません。
仲間がいても、飼い主との信頼関係は別物です。
1日5〜15分でも各個体と向き合う時間を設けることで、体調の変化にも早く気づけます。
Q. 途中から多頭飼いに切り替えても大丈夫?
A: 大丈夫です。適切な手順を踏めば、成体になってからでも多頭飼いへの移行は可能です。
ただし、長く1匹飼いをしてきた個体は縄張り意識が強くなっている場合があり、顔合わせに通常より時間がかかることがあります。
本記事で紹介した手順を丁寧に実施し、個体の反応を見ながら慎重に進めましょう。
Q. 多頭飼いで注意すべき病気はありますか?
A: 特に以下の感染症に注意が必要です。
- 皮膚糸状菌症(リングワーム):真菌による皮膚感染症。脱毛・かゆみが特徴で、複数匹に広がりやすい
- 外部寄生虫(ダニ・シラミ):かゆみ・毛並みの悪化・脱毛を引き起こす。ケージ内で急速に広がる
- 呼吸器感染症(ボルデテラ菌など):くしゃみ・鼻水・食欲不振が症状。空気感染するため群れ全体に影響
いずれも早期発見・早期治療が重要です。定期的な獣医師による全頭チェックを習慣にしましょう。
まとめ|モルモット多頭飼い成功の3つの鉄則
モルモットの多頭飼いは、正しい知識と準備があれば決して難しくありません。
最後に、成功のために最も大切な3つの鉄則をまとめます。
鉄則①:相性を見極める時間を惜しまない
多頭飼いで最も失敗しやすいのが、顔合わせを急ぎすぎることです。
検疫(2〜3週間)+段階的な顔合わせは、遠回りに見えて実は最短距離での成功ルートです。
焦って同居させた場合のトラブル対処にかかる時間・費用・精神的負担は、顔合わせ期間をじっくり取ることに比べてはるかに大きくなります。
鉄則②:逃げ場と資源を頭数分+1用意する
多頭飼いの環境設計で最も重要なのが、「頭数分+1個」の隠れ家・餌場・水場の確保です。
資源が足りないと独占が生まれ、ストレスや喧嘩の直接原因になります。
また、どの個体も逃げ込める隠れ家が必ずある状態を維持することで、慢性的な緊張状態を防ぐことができます。
鉄則③:「合わなければ別居」も正解と心得る
どれほど丁寧に顔合わせをしても、相性が合わない個体の組み合わせは存在します。
「別居=失敗」ではありません。
無理な同居を続けることの方が、双方のモルモットにとってはるかに大きなダメージになります。
別居後も隣り合ったケージで気配を感じさせながら飼育する方法は、多くの飼い主が実践しており十分に意味のある多頭飼いの形のひとつです。
モルモットの幸せを最優先に、柔軟に判断することが多頭飼い成功の最大の秘訣です。


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